第33回映画祭TAMA CINEMA FORUM
多摩市立永山公民館(ベルブ永山 3階)
多摩市立関戸公民館(ヴィータコミューネ 7階)
短編「prologue」:ゴミ処理場跡地に集まったエン、マル、マドカ。「革命」実行前の3人。夜が明けエンがとった行動とは――。
中編「飛べない天使」:とある地方。優佳は会社の飲み会の帰り道、商店街を走る男を目撃する。手に持つ枕から羽根を撒き散らし、天使のように去っていった。その夜、優佳は再び男に遭遇する。
本作は『The Night Before』と題し「prologue」「飛べない天使」の二部構成作品。
第一部では若者3人の会話から始まる。多くを語らないエンに対して、まるでエンを擬人化したようにゆっくりと会話を交わすマルとマドカ。私が印象に残ってるのはマドカの「もし、だらだらを願ってそうなったらすごくつまらない。何もしていない自分が嫌で死にたくなる」というセリフ。第二部に出てくる優佳の生き方にも同じような考えがあるような気がした。
社会を生きていくうえで包まれる「あるべき姿」とは。あるべき姿から解放されたときに目に映る食事や朝日はどんなものなのか。こころ赴くままに行動する彼らを見ていると自分の今までの考え方を俯瞰して見ることができる。自分が何かに埋もれそうな時に手を差し伸べてくれるような登場人物。ふとした日常の違いに少しの勇気をもって関わってみたくなる作品。自分も誰かに変化を与えることが出来る存在になれないかと思いを馳せてしまう。(K.M)
初監督作品『dear TOKYO』(2018年)でTAMA NEW WAVEをはじめ、STARDUST DIRECTORS film fes2018賞など多数の入選、受賞経歴を持つ。 今作では異なる二つの物語を独自の視点で構成し、今後の活躍が期待されるなか、劇場公開監督デビューを飾る。
東京都出身。2019年にNHK連続テレビ小説「なつぞら」の夕見子役で注目を集める。最近の主な出演に、映画『あの娘は知らない』『サバカン SABAKAN』『あの日のオルガン』、ドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」「それってパクリじゃないですか?」「舞妓さんちのまかないさん」「鎌倉殿の13人」、舞台「橋からの眺め」など。今後も舞台「千と千尋の神隠し」をはじめ複数の作品への出演を控えている。
神奈川県出身。2016年に『14の夜』で映画デビューし、18年に『アイスと雨音』に出演。21年公開の『うみべの女の子』でW主演を務め、毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞にノミネート。同年米映画『MINAMATA』でジョニー・デップと共演。22年にかけて放送されたNHK連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」でヒロインの弟・大月桃太郎役を演じ、以降も映画『なぎさ』『神回』『Love Will Tear Us Apart』『まなみ100%』(いずれも23年)、配信ドラマ「EVOL」(23年)と、出演作が続く。