第33回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【D-12】80年代-90年代輝く俳優―女優編―

11/21[火] ベルブホール
チケット情報

チケット料金

一般
当日のみ:800円
子ども(4歳~小学生)
無料
会場アクセス

ベルブホール

〒206-0025 東京都多摩市永山1-5
小田急多摩線/京王相模原線「永山駅」より徒歩2分。ベルブ永山5階

つぐみ

  • 1990年/松竹富士、FM東京、山田洋行ライトヴィジョン製作/松竹配給/106分
  • 監督・脚本=市川準
  • 原作=吉本ばなな
  • 撮影=川上皓市
  • 美術=正田俊一郎
  • 音楽=板倉文
  • 出演=牧瀬里穂、中嶋朋子、白島靖代、真田広之、安田伸、渡辺美佐子、あがた森魚

ストーリー

生まれつき身体が弱く、甘やかされて育ったつぐみ(牧瀬)はわがままな18歳の少女。東京で暮らす従姉妹のまりあ(中嶋)はつぐみに招かれ、高校まで過ごした西伊豆へ渡る。なつかしい思い出さながらに穏やかな日々を送る彼女らの前に、恭一という青年があらわれるのだった。

コメント

近しい人に対して男言葉で悪態を吐く主人公つぐみ。彼女の傍若無人の振る舞いは、甘やかされたため形成されたわがままな性格というだけでなく、病気や死と背中合わせでいる不安への必死の抵抗だ。デビューしたばかりの牧瀬里穂が、烈しさと脆さが同居したやりきれない魅力を見事に表現している。

そんなつぐみを見守り続けたまりあは家庭環境の変化で東京に移り住んでいたが、ひと夏を再びつぐみと過ごすことになり、そこで事件が起きるのだが、演じる中嶋朋子の落ち着きのあるモノローグ調のナレーションが良い対比となっている。

また、同年公開の『櫻の園』で注目を浴びた白島靖代がつぐみの姉を演じていることもあってか、その時代の空気感が西伊豆というロケーションに詰め込まれており、ふわりとした懐かしさと目の離せない鮮やかさが感じられる一本だった。(理)

Wの悲劇

  • 1984年/角川春樹事務所製作/東映配給/109分
  • 監督・脚本=澤井信一郎
  • 原作=夏樹静子
  • 脚本=荒井晴彦
  • 撮影=仙元誠三
  • 美術=桑名忠之
  • 音楽=久石譲
  • 出演=薬師丸ひろ子、世良公則、高木美保、蜷川幸雄、三田村邦彦、三田佳子、志方亜紀子、清水綋治

ストーリー

劇団の研究生・三田静香(薬師丸)は、芝居のために先輩俳優と一夜を共にするなど、芝居に打ち込む日々を送っていた。そんなある日、看板女優・羽鳥翔のスキャンダルの身代わりとなった彼女は、その代償として舞台「Wの悲劇」のヒロインの座を手に入れるのだが……。

コメント

80年代の角川映画の中でも『セーラー服と機関銃』『時をかける少女』と本作は何度も観返す。欲望に忠実な大女優を怪演した三田佳子、主人公・静香のライバルとなるかおりを演じる高木美保、女優になるための野心を隠さない静香を演じる薬師丸ひろ子の、嫉妬や憎悪の絡む熱演が素晴らしい。個人的には、世良公則演じる森口というキャラクターが好きだった。静香を想いながら、彼女の女優への情熱と才能を誰よりも信じた森口。しかし自分を見失わない静香の選択もまた大変に魅力的だった。薬師丸ひろ子は今も唯一無二の魅力を放つが、この役で演じた“女優への執念”がキャリアを後押ししているように見えるのは、本作ファンである私の妄想あるいは願望が過ぎるだろうか。(な)

プログラム一覧

藤原季節氏、内田健司氏、周本絵梨香氏
藤原季節氏、林知亜季監督、義山真司氏、柾賢志氏、佐藤考哲氏、浅沼ファティ氏、石原滉也氏、毎熊克哉氏
奥浜レイラ氏(映画・音楽パーソナリティ)、高橋芳朗氏(音楽ジャーナリスト)、村山章氏(映画ライター)
佐藤浩市氏、阪本順治監督、伊藤さとり氏(映画パーソナリティ)
上田誠氏、山口淳太監督、藤谷理子氏、石田剛太氏
永田芳弘プロデューサー、矢田部吉彦氏(前東京国際映画祭ディレクター)
福島良一氏(野球解説者、メジャーリーグアナリスト)、蛭間豊章氏(報知新聞社メジャー担当記者)、久保田市郎氏(SLUGGER編集長)
千原徹也監督、川上未映子氏(作家)
木村聡志監督、莉子氏、筧美和子氏、みらん氏、森直人氏(映画評論家)
石川梵監督
鈴木仁篤監督、赤坂太輔氏(映画批評家)
赤坂太輔氏(映画批評家)
大山顕氏、佐藤大氏、稲田豊史氏、速水健朗氏、妹尾朝子氏、山内マリコ氏
亀山睦木監督、小川深彩監督、森美春監督
菊地成孔氏(音楽家/文筆家)、佐々木敦氏(思考家/HEADZ主宰)、池城美菜子氏(音楽ライター/翻訳家)
小野峻志監督とご出演者のみなさま
福永壮志監督、中井圭氏(映画解説者)
アサダアツシ氏(脚本家)、金子鈴幸氏(脚本家)
堀井綾香監督、福地桃子氏、青木柚氏