第33回映画祭TAMA CINEMA FORUM
PassMarket【一般、子ども(4歳~小学生)】
PassMarket【支援会員、障がい者・付添者】
多摩市立永山公民館(ベルブ永山 3階)
多摩市立関戸公民館(ヴィータコミューネ 7階)
美大を卒業してデザイン会社に就職するもうまくいかず、いまはアイスクリーム店「SHIBUYA MILLION ICE CREAM」のバイト長として日々を送る常田菜摘(吉岡)。ある日、店にやってきた作家・橋本佐保(モトーラ)に運命的なものを感じ、佐保の存在が頭から離れなくなっていく。バイト仲間で後輩の桑島貴子(詩羽)は、変わりゆく菜摘をどこか複雑な想いで見つめていて……。一方、アイスクリーム店のご近所さんの高嶋優(松本)は、疎遠になっていた姉の高橋愛(安達)の娘美和(南)が、何年も前に出ていった父親を探すため、突然訪問してきて戸惑っていた。いきなり始まった共同生活。優の内心を占める不安は、それだけではなかった……。熱(フィーバー)に似た、心を捉えて離さない衝動。それぞれの色を綴った4人の想いは交錯し、切なくも確かに疾走していく――。
「うまく言葉にできないということは、誰にも共有されないということでもあるのだから。つまりそのよさは今のところ、わたしだけのものということだ」川上未映子原案 「アイスクリーム熱」のなかの言葉がスクリーン越しに響いてきたのは、2回目に観た横浜のシネマ・ジャック&ベティの客席だった。『恋する惑星』へのオマージュ、主人公はガラス越しに映されていて、あらゆる目でピントを合わせ、作品を完成させる余韻が残った。(前)
アートディレクター/映画監督。株式会社れもんらいふ代表。 1975年生まれ、京都府出身。広告(H&Mや、日清カップヌードル×ラフォーレ原宿ほか)企業ブランディング(ウンナナクールほか)、CDジャケット(桑田佳祐「がらくた」や、吉澤嘉代子ほか)ドラマ制作、CM制作など、さまざまなジャンルのデザインを手掛ける。またプロデューサーとして「勝手にサザンDAY」主催、東京応援ロゴ「KISS,TOKYO」発起人、富士吉田市の活性化コミュニティ「喫茶檸檬」運営など、活動は多岐にわたる。そして、ついに長年の夢だった映画監督としての作品『アイスクリームフィーバー』が2023年7月に公開された。https://lemonlife.jp/
大阪府生まれ。2008年「乳と卵」で芥川龍之介賞、09年、詩集「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」で中原中也賞、10年「ヘヴン」で芸術選奨文部科学大臣新人賞および紫式部文学賞、13年、詩集「水瓶」で高見順賞、同年「愛の夢とか」で谷崎潤一郎賞、16年「あこがれ」で渡辺淳一文学賞、19年「夏物語」で毎日出版文化賞を受賞。他の著書に「春のこわいもの」など。最新小説は「黄色い家」。「夏物語」は40カ国以上で刊行が進み、「ヘヴン」の英訳は22年ブッカー国際賞の最終候補に選出された。23年には「すべて真夜中の恋人たち」が全米批評家協会賞最終候補にノミネート。