第31回映画祭TAMA CINEMA FORUM
プログラム紹介
【C-13】プレヴュー「大野大輔監督『辻占恋慕』」
辻占恋慕
- 2022年/ E&E製作/SPOTTED PRODUCTIONS配給/111分
- 監督・脚本・編集＝大野大輔
- 撮影＝中瀬慧
- 音楽＝福田裕彦
- 編集＝谷口恒平
- 劇中歌＝西山小雨、ナビ、ニノ倉らむね
- 出演＝大野大輔、早織、加藤玲奈、濱正悟、川上なな実、小竹原晋、西山小雨、ひらく
ストーリー
ロックデュオ「チカチーロンズ」のボーカル・信太はある日の対バンライブでギターの直也にドタキャンを食らわされる。路頭に迷う信太に救いの手を差し伸べたのはシンガーソングライターの月見ゆべしだった。売れない、金ない、時間ない、三十路同士の二人は共鳴し、やがて信太はゆべしのマネージャー……そして恋人となる。しかしメジャーに進出させたい信太と自分のスタイルを頑なに曲げないゆべしの溝は日に日に深まっていくばかりで……。
コメント
本作は、大野監督が監督・脚本・編集を手掛け、自らもヒロインのマネージャー役として出演、『さいなら、BAD SAMURAI』、『ウルフなシッシー』に連なる青春三部作の“終焉”をテーマにしたとのこと。ヒロイン早織さんが内なる情熱を秘めたシンガーソングライターを“熱演”、今夜もどこかのライブハウスで歌っているかのように思わせてくれて良質な音楽映画だと実感。加えて、SNSの危うさを露呈させる終盤に繰り広げられる挑発的なシーンや、濱正吾さんの体を張ったコミカルな怪演など大野監督ならではの味付けも。自らをプロデュースして、のし上がろうとするアイドル歌手に対し、悩みつつも信念を貫こうとするヒロインと時流に乗って表舞台へと立たせようと奔走するマネージャーのすれ違いは、そこに愛があるからこそ、切ない。青春の終焉に届いた「とあるアイテム」には、その切ない愛が詰まっていました。(WB)
ゲスト紹介
大野 大輔 監督
1988年生まれ、千葉県出身。映画美学校13期フィクションコース初等科修了。初監督作『さいなら、BAD SAMURAI』（2016年）がカナザワ映画祭でグランプリ。第2作『ウルフなシッシー』（17年）が第18回TAMA NEW WAVEでグランプリ・最優秀男優賞・最優秀女優賞を受賞。続く松本穂香主演のWEBドラマ「アストラル・アブノーマル鈴木さん」が好評につきディレクターズ・カットの劇場版として公開。新作『辻占恋慕』は来春公開予定。
早織 氏
1988年生まれ、京都府出身。高校生時代に小出早織としてTVドラマ「ケータイ刑事 銭形雷」（2006年）に主演し、「帰ってきた時効警察」、映画『舞妓Haaaan!!!』（いずれも07年）に出演。映画『百円の恋』（14年）、『過激派オペラ』（16年、主演）、TVドラマ「警視庁いきもの係」（17年）、NHK連続テレビ小説「スカーレット」（20年）、舞台「タイトル、拒絶」「夜は短し歩けよ乙女」（いずれも21年）など多数出演。
川上 なな実 氏
1992年生まれ、福井県出身。2012年AVデビュー。15年、浅草ロック座でストリップデビュー。同年「恵比寿マスカッツ」加入。AV、ストリッパー、アイドル活動以外にもドラマや映画に多く出演。配信ドラマ「全裸監督」（19年）、映画『37セカンズ』『東京の恋人』『悲しき天使』（いずれも20年）、『ゾッキ』（21年）など。22年2月にAV女優、ストリッパーを引退し、俳優業に専念することを宣言した。
濱 正悟 氏
1994年生まれ。東京都出身。2015年「BoysAward Audition」で特別賞を受賞。ドラマ「下町ロケット」（15年）や『祈りの幕が下りる時』（18年）などに出演、「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」（18年-19年）で演じたルパンブルー/宵町透真役で注目を集める。『転がるビー玉』（20年）、『酔うと化け物になる父がつらい』（20年）、『ステップ』（20年）、『真・鮫島事件』（20年）、『ナポレオンと私』（21年）、『DIVOC-12』（21年）など映画・テレビで活躍中。出演作MOOSICLAB［JOINT］2021-2022水口紋蔵×Licaxx『アクトレスモンタージュ』（21年）、『IDOL NEVER DIES~ざわめく彼女のMUSIC~（仮）』の公開を控える。
西山 小雨 氏
仙台出身。ピアノ・ウクレレ弾き語りシンガーソングライター。 2018年、映画『無限ファンデーション』で、主題歌・劇中歌・音楽・出演。MOOSIC LAB 2018長編部門においてベストミュージシャン賞受賞。関東音楽甲子園2018、優勝。 19年、映画『＃平成最後映画』エンドロールで、音楽担当・出演。TBSラジオ「爆笑問題の日曜サンデー」太田光が選ぶ夏のラブソング第1位に楽曲『夏よさよなら』が選ばれる。21年、映画『東京橙景』主題歌担当など幅広く活躍中。
