第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM
今年も団地団、絶好調のマシンガントークでした。今回は団地団・山内マリコさんの企画による山田洋次監督の長編デビュー作、『下町の太陽』を35㎜フィルム上映。画質の良さにまず驚き。画質もさることながら、これは正にイタリアネオリアリズムではないかと目を見張る。上映後、団地団の1部トークが始まる。昭和30年代の時代背景の説明から入り、映像に映し出される「小松川ロックゲート」の詳細な解説、荒川放水路の歴史、主人公町子の働く石鹸工場の解説等々、じわじわとジグソーパズルのピースが提出されていく。そして団地団それぞれの立ち位置から発射される言葉の応酬でさながら新たな『下町の太陽』が完成されていくような気持ちにさせられて行きました。
当然50分で収まる訳がなく、場所を近くのショッピングモールの会議室に移し、恒例の「団地団デスマッチトーク」が始まりました。昨年の血糖値ダウンの轍を踏まないように、しっかり血糖値対策を整え第2部の開始。航空写真、土木設計図、映画画像等を駆使し、2部では主人公たちの内面へと鋭く切り込んで行きました。昭和30年代の日本が提起した課題が、主人公町子の提起した課題が今の私達に応えられているのか。団地団が語る言葉の重さに圧倒される3時間でした。知に裏打ちされた言葉の清々しさにあらためて感激した幸福な時間の共有でした。