第31回映画祭TAMA CINEMA FORUM
今回で5回目になる団地団による団地映画を語る会「団地団TAMA映画祭に参上!」は、昨年(2019年)に引き続きCOVID19の状況を考慮し「団地団、オンラインで再び参上!」と銘打ち、オンラインでお家から集合しライブ配信を行う企画となりました。過去3回は映画上映を行った後にご登壇いただき延々とトークを繰り広げていただくところですが、今回も視聴者の方々に各自で自主的に課題作品を鑑賞してからご参加いただくことを推奨し開催。今年の課題作品は日本での配信がなく、レンタルショップ減で視聴が難しいにも関わらず、どうしてもTAMA的にも取り上げて欲しかった多摩地区聖蹟桜ヶ丘が舞台の『耳をすませば』を設定。
また団地団員の山内マリコ氏(作家)の小説「あのこは貴族」を原作とした映画『あのこは貴族』(岨手由紀子監督)が、第13回TAMA映画賞の最優秀作品賞を受賞したので、団地団員からのお祝いとともに本作品についても語ってもらう二本立ての豪華な回となりました。
当日は映画祭実行委員の呼びかけで団地団が集結。配信前の打ち合わせでは、配信中のプレゼンの中で映像が流れるかなどの確認をして臨みました。
団地団の自己紹介(0:30~)、TAMA映画祭との歴史をお話しいただいた後、「あのこは貴族」のお祝いへ...。(22:40~)
冒頭では映画ポスターの門脇さんの表情や作品内での「え?」の声色にも言及。山内さんが岨手監督に演技指導について質問すると声のトーンを調節したと答えていらしたとのこと。作品の観客に委ねた余地の在り方や小説に寄り添った脚本の巧みさなど2時間たっぷり分解しました。原作者である山内さんは原作が出た時から「あのこは貴族」のタイトルが本当に合っていたかなと自信がなかったが、映画のタイトルバックでようやく「合ってた!!」と確信をもてたとおっしゃっていました。
実はこの時、オンライン配信の翌日に行われた映画祭プログラム「『あのこは貴族』の世界を読み解く」のトークイベントで山内さんと岨手監督をお招きして根掘り葉掘り聞こうという企画のチームも試聴していたのですが、「明日、聞きたかったことを全部話されてしまった気がする...」という事態に陥っていました。翌日のプログラムでは、新たな話が沢山聞けるプログラムとなりましたので、こちらも併せてチェックしてみてください。
休憩を挟んで、「ようやく耳をすませば」論へ。(2:01:34~)改めて観ると恋愛映画ではなく「ものづくりの覚悟」の映画だ!という総意で話はスタート。他のジブリ作品との相似性、原作からの設定変更からアニメーターと監督の違い、周囲の大人たちの話、お話し的になくてもいい団地描写のリアリティの数々と作り込みの話、雫のお父さん(司書)は郷土史科?など多岐にわたる展開がされました。
毎度おなじみの総裁(大山顕氏)のプレゼンテーションは2:39:00から。今回は「故郷喪失とカントリーロードの和訳の問題について」です。
休憩も挟みながらおよそ4時間弱に及ぶ長丁場、お付き合いいただきありがとうございました。途中一瞬トラブルもありましたが、視聴者のみなさまの「それも団地団っぽい」のあたたかさに大変救われました。見守っていただきありがとうございました。諸事情により一部音声のみの箇所もございますが、YouTubeにコンテンツとして残してありますので、ぜひご視聴ください。次回こそはリアル会場で、映画上映とともにお会いしましょう!
トークイベント ゲスト:団地団(大山顕氏、佐藤大氏、稲田豊史氏、速水健朗氏、妹尾朝子氏、山内マリコ氏)
【ノーカットでお送りします】団地団、オンラインで参上!:大山顕×佐藤大×稲田豊史×速水健朗×妹尾朝子×山内マリコ | 第30回 TAMA CINEMA FORUM