北大西洋に浮かぶ自然豊かな島国アイスランドから届いた
<人と人><人と馬><馬と馬>それぞれの物語を
馬の視点で描くユニークなドラマ
アイスランド演劇界で活躍する演出家ベネディクト・エルリングソンによる長編監督デビュー作となった『馬々と人間たち』は、<人と人><人と馬><馬と馬>それぞれの物語を馬の視点で描くユニークなドラマ。馬の澄んだ穏やかな瞳に映る人間たちの姿を通した独自のスタイルは世界各地で驚きと笑いと感動を呼び起こし、第26回東京国際映画祭・最優秀監督賞やノルディック映画賞をはじめ多数の賞を受賞。エッダ賞(アイスランド・アカデミー賞)では主要6部門を制覇し、2014年のアカデミー賞外国語映画賞アイスランド代表に選ばれた。
老若男女に馬たちも加わって、アイスランドの田舎を舞台に展開する奇想天外な物語は独特のリリシズムとブラックユーモアを感じさせ、動物からみた人間の姿を通して「人間のなかの動物の部分」を浮かび上がらせる。主演はアイスランドの代表的俳優イングヴァル・E・シグルズソンと、デンマーク出身の女優シャーロッテ・ボーヴィング。共演する馬たちは10世紀以上も原種が守られているアイスランド馬。彼らはアイスランドの人びとにとって家畜にとどまらず、家族や友人、恋人のような存在であるという。馬たちのことを知り尽くしたスタッフ・キャストによる奇跡のようなシーンの連続にも驚かされる。
中学生時代に洋楽に目覚め、アメリカに高校留学。学生時代に湯川れい子氏のアシスタントを務め、後に大手レコード会社に就職。その後、音楽ジャーナリスト、通訳翻訳、海外渉外など音楽業界で働く。カーペンターズの全アルバム解説と対訳を担当したことから、国内外でカーペンターズ研究家として知られる。2002年アイスランド音楽サイトのコンテンツ制作をきっかけにアイスランドの国と文化に興味を持つ。2004年に(有)アリヨス・エンタテイメントを設立。以来、アイスランド文化を幅広く紹介するとともに独自ツアーの企画、雑誌取材やレコーディングなどの現地コーディネーションを行なっている。エコ・環境やエネルギー対策、男女平等をテーマにアイスランドに関する講演も多数。なかでもアイスランドの音楽フェスティバル「アイスランド・エアウエイブス」ツアーは2015年で10回目を迎える。アイスランドへの渡航は20回以上。
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1969年生まれ。アイスランドで最も成功している舞台演出家の一人。劇作家、俳優でもある。アイスランド国立劇場とレイキャヴィク市民劇場で多くの役を演じ、2002~2004年にはレイキャヴィク市民劇場の実験演劇部門で芸術監督を務めた。また、アイスランドの映画やTVドラマで俳優として活躍しているほか、デンマークのラース・フォン・トリアー監督の映画『Direktøren for det hele(The Boss of It All)』(2006)にも出演。アイスランド・アカデミー賞(エッダ賞)に輝くTVシリーズ「Fóstbræður(Blood Brothers)」(1997~2001)では脚本も手がけた。自身の脚本による初監督短編『Thanks』(2007)はニューヨークのBeFilm実験映画祭で審査員賞と観客賞を受賞。短編2作目『The Nail』(2008)はクレルモン=フェラン国際短編映画祭でスペシャル・メンションを贈られ注目を浴びた。本作『馬々と人間たち』は長編監督デビュー作となる。
1953年、アイスランドのレイキャヴィク生まれ。多くの映画賞に輝くスカンディナヴィア屈指の監督、製作者。短編やドキュメンタリーを撮った後、1987年に長編監督デビュー。故郷を目指す二人の老人を描いた長編第2作『春にして君を想う』(1991)は世界中で絶賛を浴び、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。その後の監督作に『ムービー・デイズ』(1994)、永瀬正敏主演『コールド・フィーバー』(1995)、『精霊の島』(1996)、『エンジェル・オブ・ザ・ユニバース』(2000)、『マンマ・ゴーゴー』(2010)などがある。
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