世界一美しい本を作る男 ―シュタイデルとの旅― 上映会 - TAMA映画フォーラム実行委員会

世界一美しい本を作る男 ―シュタイデルとの旅―
「世界一美しい本を作る」と称されるドイツの小さな出版社シュタイデル。
ノーベル賞受賞作家ギュンター・グラス、アメリカを代表する写真家ロバート・フランク、
シャネルのカリスマデザイナー カール・ラガーフェルド……
天才たちに愛される、その秘密に迫る驚きと情熱のドキュメンタリー

自社で書籍・写真集などの企画から製本まで、すべての工程を手掛ける小さな出版社シュタイデルは、ドイツ中部・人口約11万人の大学都市ゲッティンゲンにある。「世界一美しい本を作る」と称される同社と、世界中にコレクターがいるその出版物。一代でその地位を築き上げたのが、ゲルハルト・シュタイデル。その仕事は、細部までこだわり抜かれ、多数の著名な作家やアーティストから絶大な信頼を得ている。

スクリーンに映し出されるのは、そんな究極の本作りの様子。効率重視の風潮とデジタル化の波が押し寄せる出版界で、決して定型にあてはめることなく、紙の手触りや発色、ページをめくる音、使用するインクにいたるまで、アーティストたちの意図や想いを実現するために徹底的にこだわり、提案と対話を重ねていく。出版のプロフェッショナルとしてアドバイスする様子はもちろん、ときには選択肢を提示してプロジェクトの成否に関わる重要な決断を促す場面も収められた本作。芸術性への深い理解のもと、新しい才能の発掘にも取り組んできた。

パリ、ロンドン、ニューヨーク、カタール......。60歳を過ぎてもなお、シュタイデルは精力的に世界各地のアーティストたちのもとへ打合せに出向く。直接の打合せを重視し、身体的感覚を大切にする彼の仕事から、現代社会の利便性のなかで生きる私たちへのメッセージを感じざるを得ない。

 

メッセージ

日本のみなさんへ

この映画を通して、本というものはどうやってできるのか? 本作りの楽しさを知ってもらいたいと思っています。今日では、イギリスの大手出版社が、インドで印刷し、中国でレイアウトを行うというのが実情です。私の会社のように、全ての工程を行う出版社は世界中を探してもほとんどありません。このような見本があるのだということを、より多くの人に知っていただきたいのです。そして、私の本作りの情熱と足跡に続く勇気ある後継者が沢山でてくることを心から願います。

日本は、紙や表紙用の布など、世界で最も美しい本の為のマテリアルと技術を有する国です。自動車産業やオーディオだけではありません。色、筆、印刷紙、印刷機など本当にすばらしい技巧の伝統を持っています。この豊かさを日本のみなさんは知っていますか? 私に次の生というものがあるのなら、日本に生まれて、今のような出版社を経営したいというのが私の望みです。そうしたら「世界一美しい本を日本で作る男」というドキュメンタリー映画ができますね。

出演者

ゲルハルト・シュタイデル

1950年ドイツのゲッティンゲン生まれ。1967年にデザイナー、出版者としてのキャリアをスタート。1968年、ケルンで開催されたアンディ・ウォーホルの展覧会で、強烈な色使いに魅了され、その高い印刷技術への感動をウォーホルに直接伝える。同年、地元のゲッティンゲンでシュタイデル社と印刷所を創設。芸術家のヨーゼフ・ボイス、クラウス・シュテークの版画やポスター制作を経て、1972年に初となるアートブック「Befragung der Documenta」を手掛ける。また1974年には政治に関する文書の制作も業務に加え、1980年代初めから文学と厳選されたアートや写真の作品集も増えていく。 1996年から、シュタイデル社はドイツ国外に向けて写真集の出版に特に力をいれる。書籍の編集から、ディレクション、レイアウト、印刷、製本、出版までを自社で行う「総合的」なアプローチは他社では見られない。文学作品では作家のギュンター・グラス、同じくノーベル賞受賞者であるアイスランドのハルドル・ラクスネス作品のほか、社会思想家オスカー・ネークトの著作など、英語とドイツ語の作品に力を入れている。 シュタイデル社の近年のクライアントは、一流の写真家や主要な美術館である。

登場するアーティストたち

マーティン・パー(写真家)、ジョエル・スタンフェルド(写真家)、ロバート・フランク(写真家)、
エド・ルシェ(現代美術家)、カール・ラガーフェルド(ファッションデザイナー)、
ハーリド・ビン・ハマド・ビン・アル=サーニ(写真家)、ギュンター・グラス(作家)、
ロバート・アダムス(作家)、ジェフ・ウォール(作家)、ジューン・リーフ(美術家)

 

監督

ゲレオン・ヴェツェル

1972年ドイツのボン生まれ。ミュンヘンのUniversity of Film and Television (HFF Munchen)でドキュメンタリー映画制作を学ぶ。2011年に日本でも大ヒットした、人気レストランに密着したドキュメンタリー『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』を発表。

ヨルグ・アドルフ

1967年ドイツのヘルフォルト生まれ。ミュンヘンのUniversity of Film and Television (HFF Munchen)でドキュメンタリー映画とテレビジャーナリズムを学ぶ。以来、同校でドキュメンタリー制作を指導している。

 

会場

東京都多摩市永山1-5 ベルブ永山5F

京王相模原線・京王永山駅、小田急多摩線・小田急永山駅から徒歩約2分

公共の交通機関のご案内

[京王線]
新宿駅から特急・急行・区間急行の橋本行きに乗車。または調布駅にて橋本方面に乗換。地下鉄新宿線から直通・急行の橋本行に乗車
[小田急線]
新百合ヶ丘駅にて唐木田方面に乗換。地下鉄千代田線から直通・多摩急行の唐木田行に乗車
[バス]
聖蹟桜ヶ丘駅から永山駅行・永山5丁目行・諏訪4丁目循環に乗車。永山駅にて下車
鶴川駅から永山駅行・聖蹟桜ヶ丘駅行に乗車。永山駅にて下車
 

予告編

 

チラシ

 
  • 日時
  • 2014年2月22日(土)
  • 10:30―11:58 第1回上映
  • 13:00―14:28 第2回上映
  • 15:30―16:58 第3回上映
  • 18:00―19:28 第4回上映
  • *全席自由席・各回入替制です。
    *開場は各回15分前です。
    *スケジュールは変更になる場合があります。
 
  • チケット
  • 前売
  • 大人(13歳以上)1,000円
  • 当日
  • 大人(13歳以上)1,200円
  • 子ども(4~12歳)600円
  • ※AMA映画フォーラム支援会員、障がい者とその付添者1名は当日600円です。
  • チケットのご購入について
  • 下記の場所でご購入いただくか、
    インターネットでの予約も可能です。
  • 多摩市立永山公民館
    (休館日・祝日を除く9:00~17:00)
  • 多摩市役所売店
    ひまわり
  • 聖蹟桜ヶ丘ヴィータ7F
    喫茶・風
  • 多摩センター
    くまざわ書店 丘の上プラザ店
  • インターネット予約 »

    ※前売チケットは1月25日(土)発売予定です
  • インターネットでご予約いただいた方は上映日に受付にて、前売価格にてチケットの精算・受渡となります。

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