<ゲストトーク開催決定>
第2回上映後に、佐久間寛厚氏(アトリエ・エレマン・プレザン東京代表)、藤木晃宏氏(株式会社 芸術造形研究所 取締役)をお迎えしてゲストトークを開催いたします。
舞台は1940年代のブラジル。精神病院では電気ショック、ロボトミー手術などの暴力的な治療が当たり前とされ、医者が患者を人間扱いしていなかった。そんな患者の人権を無視した精神療法に疑念を感じ、絵の具や筆・粘土などを用いて、患者が自由に表現できるよう病室をアトリエに作り変え、愛と芸術で人を癒そうとした女性精神科医ニーゼの真実の物語。
ドキュメンタリー出身のホベルト・ベリネール監督が構想に13年・撮影に4年かけた本作は、リオデジャネイロ国際映画祭で観客賞、東京国際映画祭でグランプリと最優秀女優賞(40年以上のキャリアを持つ名優グロリア・ピレス)をW受賞するなど、「ブラジル映画の新たなる傑作」との評価を得ています。
原題:Nise da Silveira: Senhora das Imagens
監督・脚本:ホベルト・ベリネール
製作:ホドリーゴ・レチェル
出演:グロリア・ピレス
2015年/ブラジル/109分/R15+
配給:ココロヲ・動かす・映画社○
女性が全くいなかったブラジルの精神医療界において、革命的な療法で多くの患者を救った伝説の女医。1920年代に150人程の男性生徒の中で、唯一の女性として医療について学んだ経歴を持ち、当時から革新的な女性だった。セラピーの一種として、絵を描いたり、動物と触れ合うことは、最近ではよく見聞きするが、1940年代の医療業界では全く認知されていなかった。
動物と触れ合い絵を描くことに没頭することで、少しずつ自分を取り戻しつつある患者たちを優しく導いていくニーゼ。彼女が実際に発言した中にはこんな言葉があった。
「複雑な精神医学の本より、マシャド・デ・アシスやドストエフスキーの本を読むこと。そのことの方が“魂の深淵”を真に探求するものだから。」
ニーゼはスイスの心理学者カール・グスタフ・ユングから強く影響を受けていて、精神的な支えとなるのだが、合理的な医療行為とは違った角度からの治療へのアプローチが最大の見所でもある。時代の先を走り、インディペンデントな生き方をした彼女は強く美しい。
第2回上映後、佐久間寛厚氏(アトリエ・エレマン・プレザン東京代表)、藤木晃宏氏(株式会社芸術造形研究所取締役)をお迎えしてトークイベントを開催いたします。
1977年生まれ。ダウン症の人たち専門のプライヴェートアトリエ、アトリエ・エレマン・プレザン東京代表。ダウン症の人たち本来の感性が動き出すための制作環境を整え、彼らと共に過ごす。展覧会、公共機関やショップ、様々な環境の中への作品展示、企業とのコラボによる企画等を通じて、ダウン症の人達の持つ優れた感性と社会を繋ぐべく活動している。また彼らの内面にある世界観を調和の文化として、知ってもらうために、各地で講演、トーク等を行っている。
1961年兵庫県生まれ。1998年に株式会社芸術造形研究所へ入社。様々な臨床美術のセッションに携わり、臨床美術士養成講座の講師を担当。その後、アートプログラム開発や養成講座カリキュラム構築にかかわり、2008年より教育事業部部長、2013年に取締役就任。
東京都多摩市永山1-5 ベルブ永山5F
京王相模原線・京王永山駅、小田急多摩線・小田急永山駅から徒歩約2分